カテゴリー別アーカイブ: 山行報告

岳人|山頂で出あう光と影の芸術

 今回はいろいろと刺激的でした。
 登山を続けていると多少の危険や困難はおもしろさでもあるのですが、北御嶽は歩きやすいのんびりしたところ。今回なんだかとっても充実感があるのは、前情報がやたらと評判のよい五の池小屋の魅力、小屋番さんのお人柄、定員100人ギューギューでの小屋泊まり、そして道中をご一緒したカメラマンさんにあった(!)と思います。

 尖った山頂の摩利支天では、夕日を見ました。雲に光が当たり変化するさまは言葉にならない。視野を遮るものがなく、フワフワッと上下左右の感覚がなくなりそう(危ない危ない)。あ~宇宙にいるな~。あ~地球って丸いんだな~と久々に感じました。登山していてもそうそう体験できません。カメラマンさんはレンズを通してどんな絵を作っていたんだろう。ちらっと見せてもらっただけでも、なんかすごかった。たぶん私の気づかない風景や出来事の魅力が見える目を持っているんだと思う。

 雲の出ている時間が多かった割に、ここぞでいいシーンに出あえた。そして小屋の薪ストーブでつくるケーキもピザも、オリジナルデザインの食器も、早朝から注文ごとにていねいに淹れてくれるコーヒーも、すべてにほっとしてにんまりしちゃったのでした。人にも自然にも、ごちそうさまでした(*^^*)

岳人|御嶽山に登るなら知りたかったこと

 御嶽山。今回は北御嶽に行きました。
 御嶽って、頂上部がとっても広い。2014年に水蒸気爆発が起きたのは南端で、そのとき今回訪れた五の池小屋付近では数センチの火山灰が積もった程度。ほとんど被害はなかったそう。しかし当然ながら翌年の登山者は激減、立ち入り禁止区域も広範囲だった。2017年の今は噴火のあった剣ヶ峰や一ノ池周辺と、さらに南の被害を受けた登山道を除いて通行可能になっている。

 そんな噴火後の御嶽山事情。あまり話してほしいわけじゃないんだと、小屋番さんがぼそりとつぶやかれたのが印象的でした。
 噴火が起きてしまえばそれ相応のことを覚悟しなければならない。しかし2014年の北御嶽でいえば私たちが外から想像しているよりずっと被害が少なかった。北御嶽はもともと、山頂部の最高地点ではないことから南に比べて人の少ないエリアで、剣ヶ峰の荒々しい雰囲気とは違う、花あり小川ありライチョウありの表情豊かな自然がある。その魅力は幸い噴火後も変わっていない。だからもっと魅力の方を知ってほしい、見にきてほしい。そんな思いから発された言葉と想像しました。

 噴火に限らず、登山というのは自然のただ中に少ない装備を身にまとって入っていくこと。スポーツやレジャーの場でもあるけれど、人間の都合とは無関係に容赦ない厳しさもあった。雪崩とか急な増水、爆弾低気圧など……。それでも山に行くのは、やっぱり都合よく安全だと解釈してるのかもしれないし、神々しいような美しい一瞬のためかもしれない。

 身分不相応なことを書き連ねましたが、御嶽山に登るなら噴火後の状況、登山者の様子を知りたかった。見聞きしてきたことをここに残します。
 現在、噴火前の5割くらいはお客さんが戻ってきているそうで、想像より多いな!と思いました。私が泊まったその日は小屋の定員いっぱいのお客さんで、今シーズン一番のにぎわいだったそう!「噴火から3年、今こうして五の池小屋の運営が出来ているのも、訪れる人達がいるからこそ」。言葉が身にしみます。10月半ばに入り小屋周辺には積雪が。この週末が今年の最終営業となるそうです。

王者の風格!採れたてマイタケ

 王者の風格! 採れたてマイタケが我が家にやってきた。親子ですらその場所を明かさないといわれるくらい貴重なきのこ。思わず「おめでとうございます」と言ってしまう、そんなきのこは数少ないんじゃないでしょうか!

 知人に分けてもらったのが写真のこれ。なんというボリューム。測ったら1.1kgほど! 木や土くずをナイフで削り取りながら小分けにし、半分ほどは干して冷凍する予定。とにかく香りがすごい。

 日曜夜に受け取り、まずは天ぷらで。かなりみずみずしい状態だったので、噛むと「肉」を食べているような食感、なのにサクッと柔らかい歯ごたえ。つゆより塩がいい。あ~マイタケ。幸せ~! 次の日はバターソテーとマイタケごはん。それから中華スープ。
 マイタケは黒、茶、白の順に価値が高いらしいけど、今回の白マイタケの味が劣るとは思えなかった。天然ものを食べて大丈夫?って気持ちもなくはない。栽培ものと栄養価は同じらしい。
ところが月曜夜、1才児が39度の高熱と軽い風邪症状、便は良好。心配したインフルエンザは陰性だった。なんだろう、風邪にしては熱が高すぎる。きのこ(食べたよ)? いやまさか。タイミングがばっちりすぎて考えてしまう!

愛すべき山ヤの世界

 先々週、2年半ぶりにハーネスをはき、山岳会の仲間と沢登りに行きました。恵那山(2191m)に本谷川黒沢から登ったわけですが、今回は秋の集中山行というイベントだったので近いのに前夜から登山口でイッパイして仮眠。

 そんな前夜のプチ宴会ですら感慨深く、「私がいなかったこの2年半の間も、皆さんは変わらずこんなことしてたんですね」ってしみじみ口に出してしまいました。家庭に子どもと夫が日常を暮らしていることを思うと、ほんと山岳会って非常識な趣味だと思います。
 沢登りといっても有名ルートなら道のある通常の登山に近い旅的なものと思えるんですが、ヤブに分け入ったりロープをつないで登るようなことになったりすると、心の穏やかな旅って世界じゃなくなります。いい大人が家庭を抜け出して、山仲間とときに命を相手に託して、男女や年齢を超えたところである数日間、ただ「目指す山」に向かって共闘するわけです。これを非常識といわずして何というのか。

 おいおい、今更何をいってるんだって声が聞こえそう。結婚していても自覚がなかったんですけど、子どもができて2年半のブランクののち、あらためて自覚したってことですね。少なくとも当時は常識の感覚のままでは踏み込めないところに、体力技術経験をもっていけていたかなと思います。
 で、一般の感覚になってみると、ほんとこの集まりっておかしいよなって。今回入った谷もまったく快適じゃない。倒木だらけのガレだらけ。そこそこ遡行されているそうだけど、もっと他にいいとこあるでしょって。やぶ漕ぎとしては1級くらいでしたが、それでも堪えました。スマホが圏外になるのも久々でした。でもねえ、山岳会ってそうだったなってハッとさせられました。笑 これは私の入った山岳会のマインド、精神で。当たり前のこと。思い返せば山スキーで白山のやぶ山の急傾斜に連れていかれてマジ泣きしたこともあったし、沢登りのつもりが雪が多すぎて雪稜登攀になったこともあったし、いろんな滝も氷点下の真冬に登りに行きました。

 この愛すべき山ヤの世界がパラレルワールドのように存在し続けていたことを、久々の沢登りで思い出すことができました。大げさに書きすぎたかな。母子登山とともに、ちょっぴり危険な山ヤライフも、忘れない程度には顔を出せるといいな。
 写真は二俣で「どっちかな~」と地図読みしているところ。

ひさびさの母子登山♡

登った感のある母子登山は久々。武平峠からピストン、すれ違う人が多いので10回以上「お母さんスゴイね」「いや山頂まで行けるかどうか」な会話をしました。崩落箇所や岩場があるので短いけどドキドキ。終わってみると往復3時間ほどの子連れにちょうどよいルートでした♪ 山頂ではスカートをひらひらさせるお姉さんなど、観光客がたくさん! 今回初めて武平峠を使いましたが、御在所岳には岩場やアイス、はたまたロープウェイ登山など何かと通っているし、短時間でも山らしい展望や岩場を味わえるすごく良い山。1つのホームだよなぁってしみじみ思いました。もっと通ってもいいかもしれない。

夏の思い出

 元気! 元気よ!
 世の中の消費のモチベーションはSNSへの投稿だというのに、ぜんぜんムリよ! たぶんサラッと写真など投稿するのはできそうだけど、何か書き添えたいと思っちゃうともうできませんよ。
 スノーピークの家族用テントを買ってキャンプデビューしたり、温泉デビューしたり、猿投山と伊吹山で事前トレして南八ヶ岳をぐるり一周してきたり。この1か月ほどわりと動き回った気がするけど、話していない人には「マリベ生きてんのか?」ってレベルだと。
 八ヶ岳は夫と子どもはお留守番。前夜発の山中1泊。私は約2年半ぶりの高山&遠征でした。意外と登れて下山後も少々の筋肉痛ですみ、正直早くまた遠征らしい登山をしたいわあ。けど、そうそう行けないよな~うずうず!!
 妊娠してから行けていないのが白山。登山口も遠いうえに頂も遠い。なんとかして登れないものか。こういう妄想をするのでまたSNSへの投稿は後回しに。そのくり返し。
 仕事の詰まった時期もあり、フルタイム会社員ママ風な多忙感をちょっぴりかじることができ、アウトドアフィールドで気分転換しながら、やりたいこと・やれないことを妄想して生きています。これでいいのかなあって、しょっちゅう思います。気づけば夏が終わりそう。それはそれとして、子どもは今いちばんかわいいかもしれません。

断乳後のリハビリ登山

 乳を断った今、断乳エピソードにはウルッときちゃう。
 うちの子は最後に一度だけ明け方に大泣き。手に負えなくて泣かせているしかなかった。翌日からは泣かなかったけど、意外と「おっぱい」という単語は忘れなかった!
 5日目、6日目に言われたときは正直動揺(笑) どうしよう、まだおっぱいって言ってる……! 最後の「ぷっぱ(おっぱい)」は9日目だった。遠慮がちに「ねえお母さん、ここでいつもおっぱいくれてたよね? おっぱい飲んでもいい?」というニュアンスだった。

 ――日曜の2時半に伊吹山の登山口を出発。
 ヘッドランプを頼りに歩く。もちろん単独。遠くで雷鳴がした。2年前の夏、妊娠中に折り返した地点はなんと7合目だった。こんなところまで登ってきていたとは! おのれに驚愕。5時45分、山頂に着くと同時に本降りの雨。
 久しぶりに雨具を着込んで歩くのは不快だった。この不快な感覚にも体を慣らしていかなきゃ。下山中も降られるし登山靴は壊れるし、体力落ちて膝が痛い。断乳後のリハビリ登山、標高差1150mはぜんぜん余裕じゃなかった。

原生林ってなんだろ

 愛知県の設楽町にある段戸裏谷原生林。通称「きららの森」。標高は900~1000mほどで、樹齢300年におよぶモミ・ツガ・ブナ・ミズナラなどからなる県内では最大の貴重な天然林だそうです。

 「原生林」という単語は、自然のままで人の手が長期にわたって入っていない森林のことで、専門的には「山の植生が安定している極相林」。植物の群落は何もせずに放っておくといずれはその環境にあった種だけが残り、森を構成し、その種による世代交代が進む。そうしてできた森の最終形態を表現しているんだそう。
 深い森に分け入る登山をしていると原生林にはいっぱい触れてると思うのですが、愛知県内で原生林と名がつくのはここと、同じく設楽町の面ノ木原生林だけのようです。

 「ホントに人の手が入ってないの?」「近くに道路走ってるじゃん」「森の中に遊歩道あるよ」と思うんですけど、遊歩道については都合よく解釈していいのかな~? どなたかご存知でしたら教えてください! 遊歩道すらない原生林は、そもそも原生林といって管理すらされていない! そういうことかな?

 ひねくれたことを言わず、やっぱり豊かな森は歩いていて気持ちいい。秋は見事な紅葉が見られるはず。名古屋から最短60分、そのわりに知られていない箱庭のような場所――。こんな切り株一つが見事だなぁって、思わず写真を撮るのでした。