白神の記憶 6日目(最終日)

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 化粧しないとまゆげがない。そしてメガネ女子。夫から「平たい顔族だね」。まあ山だとこんなんだということで。いいじゃないですか、ナチュラル。

 ―6日目(最終)、白神の旅で最後に泊まったのは避難小屋!(写真の後方がそれ) 起きたのは4時45分。薄雲が出ていて岩木山は見られない。それでも30分ほど山頂でご来光を楽しんだ。昨晩、小屋には男女3人パーティの先客がいて、話をするとこの地域のエアリア(山と高原地図)の著者だった。コースタイムの踏査に来たそうだ。
 白神岳の山頂付近は森林限界をこえていてアルペンムード。眼下に日本海が広がる景色もよくて、私はすっかり気に入った。今回は歩きメインだったけど、いつか沢登りで尾根を越え沢を下り、白神山地を歩いてみたい。ところで、白神山地が世界遺産になったことの登山者にとっての弊害は、「気軽に遺産区域に入れなくなったこと」。例えば山スキーで、昔は白神岳の稜線から遺産区域側にドロップインして楽しむのは定番だったそうだけど、今は禁止だ。ただ、「世界遺産になったからこそ登山道が整備され、トイレが設置されるなど使いやすくなって、訪れる人も増えた」とも言う。
 十二湖方面に行く彼らと別れて、下山にかかる。いよいよ帰りのフライトまでカウントダウン。迷った末、下山後は有名な「不老不死温泉」に足をのばした。青森県では超有名な観光地だけど、何しろ場所が場所なので、行けるときは限られる。夕日を見るのが最高らしい…それはまたの機会に。そのあとは秋田空港までドライブ! この6日間で走ったのは657キロになった。

 富士山や屋久島の登山ブームを見て、世界遺産が観光のブームを巻き起こすように感じられて、白神山地は今どうなのだろうと思った。印象深いことは、現地の人が「本当に伝えたい」と思っている白神の良さと、観光ガイドブックが取り上げるそれが、違うらしいこと。登録から20年余り。最初は小さな失望でも、いつしかあきらめに変わってしまう。
 何かしたいと思ったとき、秋田や青森の人間か、そうではないかという話が何度もあった。いろいろなところを訪れる、今は私は「風の人」で、本当は「土の人」にあこがれるのだけど、しばらく風の人としていろいろな山を見て歩きそう。
 行ってみる、会ってみる、話してみる。頂上を踏むだけの登山じゃないものを、もっと続けていきたい。(うん、我ながらよくまとまった)