登り込めばできる

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 こんだけアルパインやってきて、私ほどリードしない奴もいないと思う。それは当然で、だってトレーニングしていないから。山に行くのと、登るトレーニングをするのは、多くの場合で重ならない。ただ登れる体を作るなら街中のクライミングジムに通えばいい。外岩に強くなるならフリーの岩場に通えばいい。ボルダーもいい。アイスに強くなるなら人工氷瀑や、アプローチほぼなしのゲレンデに行くのでいい。
 私はこれらの過程をすっ飛ばして、いや、そんな順序は固定されていなくて、その人の環境、志向、目的に応じて経験を重ねていくしかなくて、たまたま私はトレーニングできていない。地道なトレーニングと、遭難と隣り合わせの山での本チャンは、両方積み重ねていければ理想。トレーニングしなきゃ本チャンも登れないでしょって思うけど、意外とそうでもなく、力のあるリーダーのもと協力し合えば危険を回避できるすべがあるので、どちらが先だというものではないのです。
 この冬は、氷瀑をそれなりに多く登っている。先週末は人工氷瀑から濁河温泉のゲレンデに梯子という、登るトレーニングをする機会を得て、自分は何ができるか、どれくらいなら安定しているか、不確定要素の少ない場所でくり返し登って知ることができた。山中だと少ない場合1日1本しか登れないけど、今回は2日間で10本以上登れた!
 それと先月までに登った6日間の氷瀑たちでの経験を思い返すと、自分はこれくらいのことができそうだと感じるものがあった。手となるアイスバイルと足となる縦爪アイゼンの感覚も馴染み、できる範囲が分かって、その範囲内には自信がついた。だからアイスで初めてリードに挑戦してみた。しっかり安定して登れた。「そうか、こういう感覚なんだ」。まさに登り込んだ成果! 昨冬はめずらしく外岩に打ち込んでいたけど、通えば通うほど強くなっている感覚が楽しかったのと同じ。
 リード、おもしろいな。この感覚なら、ジョーゴ沢のあの滝も、峰の松目のあの滝も、戸台なら五丈ノ滝から頑張れるかもしれない。そんなわくわくが広がるのでした。いつもの先輩がケガで離脱してしまい、それだけがすごく悲しくて残念。「今季は最後に寺井さんと塩沢左俣に行こうと思ってた」という言葉がしみた>< 写真は、今年いちばん難しかった舞鶴ルンゼF1! これをリードするのは1年じゃ効かないや。