腹の上の服をめくって考える宇宙から来た人

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 おなかの中で宇宙遊泳している人がいるようです! へその上から脇腹付近、さらには膀胱のあたりまで、たまに同時に叩かれます。つねられているような、ねじられているようなときもあり、くしゃっとなった輪ゴムが弾けるようにもとに戻る感覚。痛いような気もするけど痛くはない。まだそんなにせまくないでしょう、いったいどういう動きをしているのさ。
 活発なときは、例えると花火。定期的にでかいのがドーンと上がる、その合間はパラパラとかドドドドとかグルッみたいな違う動きの軽いやつがある。その動きが動物的で。明らかに別の個体がこの中におる! と感じるのであります。ややフライングして今週後半には24週(7か月目)の検診に行ってきます。

 私は気になって腹を出してじーっと何分でも見てしまいますが、近ごろの夫はもう胎動がめずらしくなくなったので、寝る前に手を当てさせてもすぐいびきかいて寝ちゃいます。
 「妊婦の青春」と表現するらしい安定期、ほんとに心穏やか。何か幸せホルモンが出ているんじゃないだろうか。今も胃の不快感が続いているし、あんなにつらかった2か月におよぶつわりがあって、この先出産という最大の山場があるというのに、もうまた妊娠してもいいな~って気分にさせられています。
 見えない小動物が日に日に身近になり、恥ずかしくてムリと思っていた「話しかけ」ができるようになったり、夫も「早く出てこないかなー」とつぶやき、「オレの人生のすべてが○○(宇宙遊泳している人のニックネーム)になったらどうしよう!」などと言うようになりました。淡泊な夫にそう言わせるこの小動物は魔法使いか?

 いったい何者なのか、まだ完全に「父」と「母」になっていない我々に分かるはずもなく、腹の上の服をめくっては、じーっとひたすらながめているのであります。(写真は大阪の“高尾山”たる金剛山に初登頂の図。だんなちゃまが撮影)