GW春合宿 前穂北尾根~奥穂高岳

昨秋に会の先輩と計画する予定だったけど、先輩が仕事で内臓にダメージを受ける大怪我をしてしまったために白紙となっていた。その後じょじょに復帰を始めた先輩と、初冬に御在所のヴィアフェラータ~富士見尾根に行き、岩登りの感覚をリハビリ、私はアイゼンで2ピッチリード。

1月と2月にはどちらも1泊で西穂高岳と将棊頭山~木曽駒ケ岳へ。内容は歩きの積雪期登山だけど、厳冬期というだけで活動が厳しく、寒さに耐える、装備の多さ、冬の生活技術、体力など……。西穂のほうは岩が露出しアイゼントレに最適な内容。木曽駒のほうは累積2100mの高低差に歩きは24kmもあり、どちらもアルプス3000m級の格別なものがあった。晴天だったので初めて一眼レフでの撮影にもトライできて満足した。

3・4月は自主トレで、さてGWどうしようかというときに、なんとなく前穂北尾根を再度提案してみると、まだ体調は万全ではないものの、小屋泊にする条件で話が進んだ。全日程で約束された晴天だったのが後押しとなったのは間違いない。

1日目涸沢ヒュッテ泊、2日目5峰~前穂北尾根~1峰~吊尾根~奥穂高岳~穂高岳山荘泊、3日目下山と計画通りに登ることができた。ただトレーニング不足は否めず、登攀の前夜は眠れないくらい緊張や不安があった。前穂北尾根は入門ルートと何を見ても書いてあるけど、冬靴でアイゼンを履いてピッケルをぶら下げながら登る状況は全然入門ではなく、何とか無事に終えられて安堵した。

ロープを出した3峰で、ハーケンベタ打ちのコーナーに先行者が進んだように思ったので、ピッケルでお助け紐を引き寄せてまで追いかけて登ったらそれは4級の(難しい)ルートだったという失敗をして凹んだり。もっと手前で「難しすぎる」と疑問に感じるべきだった。3峰の頂上に出る直前も冬装備では怖くて、「ほんとにこのルートで合ってる!?」と探すが代替のルートがなさそうで、覚悟を決めて突破した(先輩が)。2峰と1峰は疲労で体が重く、難しくないだろうけど気が抜けなかった。※前穂北尾根、夏にフラットシューズなら、もっと余裕があって登れるんだろうか!?

懸念だった吊尾根の縦走は、幸い夏道が8割以上出ていて危険箇所が格段に少なく、アイゼンを外して歩けたので体力も精神力も回復。時間は押しても不安感は和らいだ。後続にずっと横浜山の会の4人パーティがいて、恐ろしい穂高から小屋までのグサグサの雪壁も一緒に下った。最後に穂高岳山荘で笑って別れた。

ケガからの復帰となる先輩に、よく前穂北尾根OKしましたねと聞いたら「いつも見てるチャレアルの表紙のルートだから、行ってみたい気持ちもあったよ」とのこと。たしかに国内屈指の名ルートを残雪期に登れた達成感は大きかったけど、疲労なのか2週間以上体のどこかが痛くて、最近ようやく元に戻ってきた気がする