赤ちゃん返りに七転八倒

「赤ちゃん返り」という言葉はかわいらしい。だから赤ちゃんみたいな真似をするかわいらしいもんだとばかり思っていたが、とんでもない。
これが赤ちゃん返りか。イヤイヤ期の再来。体も声もでかくなり頭脳が発達している分、グレードアップしていて手におえない。今がピークであることを願いたい。

とにかく何かに文句が言いたい、何でもイヤだと言いたい、それは「甘え」の裏返しで、甘えさせてあげるのが正解だとは承知している。しかしこちらにも限度がある。機嫌がよければできることが、急にできないと言い出し、口が達者だから理由の付け方など妙に腹立たしい。やってほしいということをやってあげても、泣き止まないしやるべきことをやってくれない。次はあれをしてほしい、これがほしいと、エンドレス。
もう泣いてていいよと放っておくと1時間以上暴れて泣いていることもある。夜、子ども二人が同時にギャンギャン泣いていた時は、「お宅大丈夫ですか」と近隣からピンポンされるんじゃないかと思ったけど、ピンポンするならしてくれ、そしてこの状況を何とかしてくれと思った。

2歳のイヤイヤ期では、知人に話をする、図書館に行って本を借りるなど、客観的な意見から冷静になれた。今回はそれができていない。せめてネット上の育児指導に目を通そうと検索したら、「マイナス2歳と思うこと」という言葉が心に残った。正直「2歳も引かなきゃならんのか」と感じた。しかしこれが案外効く。

「抱っこしてほしいの!」「わかった、お膝に抱っこしてあげるよ」「牛乳飲みたいの!」「ここにあるよ?」「牛乳、飲めないの!」「コップが持てないの?じゃあ持ってあげるよ」「その持ち方じゃない!手はここを持たなきゃだめなの!」「そうか、お母さん難しくてできなかったよ、これでいいのかな?」「こうやって、かたむけないと飲めないでしょ!」「これでいいかな?(と飲ませてあげる)」……みたいなやりとりが、娘の機嫌が悪くなると延々始まるわけです。
牛乳のコップが持てないだと?んなわけないだろ!と一気に我慢の限界がオーバーヒートするところを、念仏のように「マイナス2歳マイナス2歳」とつぶやいて心を静める。効くけど、親がうつになりそう。だからこうやって書き出している。

子どもの赤ちゃん返りが愛情不足に起因することは分かっている。でも聖母にはなれん。菩薩にもなれない。黙ってギュっと抱きしめて子どもが落ち着くのを待つとか、特殊なスキルだと思う。子どもの甘えの要求でも、スーパーで箱アイスを2つも買わされるとか受け入れられない。だって1箱は買うのよ。十分優しいでしょう!2つも冷凍庫入らんし!作って並べて用意した夕飯にケチを付けられて一口も食べず、「食べなさい」と言ったら「いらない」と即答されることも苦痛でしかない。なぜここまでご機嫌をうかがって世話をしなければまともにご飯も食べてくれない?

今がピークだと思いたい。残念すぎる娘の赤ちゃん返り。愛情不足って言われても……