自分でも何やってんだって感じなんですけど。行けるはずだ!と信じながらもスタート直後から次々と現れる難題…。この日は山頂まで上がろう!という強い意志があって、序盤の高巻きで心くじかれたけれど前進を続けた。雪渓の下をくぐることがロシアンルーレットであることはもちろん認識していて、順番にとにかく駈け足で通り抜ける。ところが、あまりに美しく、恐ろしくもある自然の形に、建築やっていた人間としてはカメラを出さずにいられなかった。なんだこのヨーロッパのカテドラルのように均等に弧を描く造形物は…。右の通路の奥には岩壁に挟まれた細長い滝が見えた。気になったが、それが見えたということは記録で読んだ二俣はここか! 進路はそっちじゃない。我慢して、後続に合図をし、危険と興奮で高鳴る心臓を感じながら急ぎ足で左の出口に進んだ。
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すでに予定時間はオーバー。なかなか源頭の穏やかな風景にならない。ダメ押しの2連爆をガタガタ震えながら女子2人でそれぞれトップを代わり、登る。最後は100mほど雪渓を詰めるとようやく水も雪も切れた。距離的にはほんの3キロの沢の中に、6時間ほど滞在したことになる。
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山頂では別ルートから上がってきた仲間が4人、3時間以上待っていてくれた。こっちは女子パーティなので、たぶん待っているだろうとは思ったけど、本当に待っていてくれてホッとした。そして心配かけてごめんなさい。いろいろな判断に反省はあるし、もうしばらく怖いところはいいやって思ったけど、やっぱり山っておもしろいな…。

