初めて山芍薬(ヤマシャクヤク)を見に行った。
妊娠・出産という事情から否応なく親子登山の世界に入るしかなく、子育ての使命感を違う方向に燃やして取り組み続けているわけだけど、じゃなければこんな登山もしなかった。里山ハイク、花見ハイク、森のようちえん的な自然との付き合い方――
子を連れて行けるところに山シャクの群落があるのだからラッキーだし、そんな情報を入手できる現代に感謝かもしれない。といっても初心者が簡単に調べられるものではなく、アプローチの林道も経験がないと躊躇すると感じた。
母子3人。現地に4時間半も滞在したのに、片道800mしか移動していなかったし、高低差はたった165mだった。テレビ塔も登れてないじゃん(笑) 注:名古屋テレビ塔は180m
登山道の真ん中に座り込んで休んでいたら、二人連れ女性がおりてきた。「ここまで歩いてきたの!?すごいわね!いくつ?」「お母さん勇気あるわね」なんて会話はよくある。子連れハイクももう6年目ですから、私なりに苦労してやってきてるんです、というのは心にしまっておく。今回も息子は7割がた自分で歩いた。
ご褒美の山シャクの群落は、感動した。自分がそこに長く滞在したかったので、子どもにお菓子を食べさせすぎた(笑)そして登頂は無理と判断し、ここで折り返した。
娘に、「お母さんはどうしてもこの花が見たかったの」と説明し、「一緒に来てくれて嬉しかったよ、ありがとうね」と言ったら、娘も「今日一番よかったのは白くて大きな花が見られたことだからお母さんにありがとう」だという。娘なりにしんどいし転んで泣いたりしていたのに、大人のようにそう返せる娘って……アニメの見過ぎか、本気でそう思っているのか(笑)
子ども二人になって、親子登山はまた違ったものになっている。